nidのブログ

冬の夜空の星とおばあさんとの40分。もう大丈夫でありますよう†。そして少しでも減りますよう…。「そこに一緒にいる」


夕方、出先から帰宅するとnidの駐車場に一人のおばあさんが立っていました。
暖かそうな冬の帽子をかぶり、綺麗な方です。
足下…は温かそうな靴下にスリッパでした…。
お散歩かしら、と思っていたのですがあたりを時々見回し、動く様子がありません。
『?』と思い、声をかけてみました。

お名前だけわかりましたが、それ以外は「ニコッ」として「あっちから来たのよー」と。海の方を指差します。
近くを取り掛かる犬のお散歩の方達に聞いてもご存じなく、先ほどからそこに立っているとの事。

すぐにPoliceに電話しました。
「すぐに向かいますので、一緒にいてもらえますか?」「はい勿論」。

毎日のように流れる市のアナウンスでは聞いていても、初めての事でした。
日が暮れ、どんどん寒くなってきます。
「おばあさん、寒いからこちらにどうぞ」とnidの階段に一緒に座りました。
ブランケットを持ってきて膝にかけ、車が来るのを待ちます。

えみこさんと玄関

nidの中に入ってしまうと、Police manに見つけてもらえないので、階段で肩をくっけて待ちます。
手はシワシワ、寒くないですか?と聞きながら思わず手を握ってしまったのですが、暖かく柔かったです。

おばあさんは、ニコニコ。「寒いですね〜」というと「そうね〜。でもこれがあるから、暖かいね〜」とブランケットを手ですりすり。
「車が通るね、ほら、また来たよ」「来ましたねー」。「この店は何売ってんの?」「アロマ…香り、いい匂いのするお花のものや、お茶を売ってます」「そうかねー」。「はい」。「犬が来たよ。かわいいねー」「かわいいですね」。「あっちの方は真っ暗だね」「そうですね、真っ暗」。「ここはお店?」「はいお店です」。「ここは真っ白で綺麗だねー」「はい、真っ白く塗ったんです」「真っ白だねー」。
おばあさんは子供のように通る人、車、向こう側の風景を見入ってニコニコ。


25分たってもまだ来ません。どんどん冷えてきます。もう一度電話すると「今向かってます!すみません!」と。
星が見えて来ました。「星が出てますね」「ん?。あーこんなに真っ暗になっちゃったねー」

40分経ち、ようやく車が来ました。
二人の若いPolice manにおばあさんを紹介「ご家族のところに行きましょう。探していると思いますから」とバトンタッチしました。おばあさんはその間もずーっとニコニコ。手を握ってくれました。

Police manによるとちょうど同じ名前で探している家族がいらしたとの事!
あー安心しました!!。
事情聴取で私も名前や住所、生年月日(汗)まで聞かれました(汗)。
「なんで来るのが遅かったんですか?」と聞くと車が全部出払っているとの事、同じような捜索なども多いそうです。

「車の中は暖かいですよ」とPolice manがおばあさんを車に乗せ、署に向かいました。
最後までニコニコ、笑顔のおばあさんでした。


おばあさんが無事ご家族のもとに戻られ、ゆっくり眠れますよう、もうはぐれる事がありませんよう…
そしてこのような事が少しでも減ってゆきますよう。
パトカー

この事をブログにする事も迷いましたが、これは祈りです。

お客様、友達のご家族でも認知症になった方も多くいろいろお話を伺います。
私の父も夏には薬害ではありましたがショックな事もありました。
自分自身もそうなる可能性はあるかもしれません。

アロマやハーブ、フラワーエッセンスなど自然療法でのケアは多いに期待できると思います。

ただ、今回はじめてその方と二人っきりになり、短い時間を過ごし「これは自然の流れの一つ」と感じてしまったのです。
そのおばあさんが終始楽しそうで明るい笑顔だったからかもしれませんが…。
これが家族だったらそうは感じないかもしれません。

私ができる事は何もありません。それでも少しでもこのような事がありませんよう、ご家族と離れず安心していられますよう、医療、自然療法、スピリチュアルケア、さまざまな方法で認知症のリスクが減ってゆきますよう、祈ります。

このブログを書いている間にも「平塚広報です。79歳のおんなの人を探しています。服装は…」とアナウンスがありました。
そのおばあさんも一刻も早く見つかりご家族のもとに戻りますよう。

何もできなくても、祈る事で、何かが変わるか変わらないかわかりませんが、祈ります。それしか出来ません。

このブログをアップしてすぐに、あるお客様からコメントを頂きました。このお言葉に救われました。ありがとうございます。

お客様のコメントそのまま引用します。

素敵なお話ありがとうございます。

実は仕事上、認知症と診断されている方と接する機会が多いのですが、不安な時に一緒に側で寄り添ってくれる人が居る。

ただその事が一番の安心を与える事が出来ると思っています。

何ができるのか
「そこに一緒に居る」

その事の重要性に気付かされたお話でした。

ありがとうございます

今日もここまで読んで下さりありがとうございました。